韓国の検察は、最大の財閥サムスングループから賄賂を受け取った収賄などの疑いで逮捕した、パク・クネ(朴槿恵)前大統領について4日、ソウル近郊の拘置所に検察官を派遣する形で、逮捕後初めてとなる取り調べを行っています。
韓国の検察は先月31日、最大の財閥サムスングループから、約束分も含めて日本円で43億円余りの賄賂を受け取った収賄などの疑いで、パク・クネ容疑者を逮捕し、ソウル近郊にある拘置所に勾留しています。
容疑者の取り調べは通常、身柄を拘置所から検察庁に移送して行われますが、パク前大統領の心理状態や警備の問題が考慮された結果、検察官を拘置所に派遣する形で4日午前10時ごろから、逮捕後初めてとなる取り調べが弁護士の立ち会いの下で行われています。
拘置所で大統領経験者の取り調べが行われるのは、1995年のチョン・ドゥファン(全斗煥)、ノ・テウ(盧泰愚)両氏以来、およそ22年ぶりです。
一連の事件をめぐってパク前大統領は、収賄を含む13の容疑について、これまですべて否認しており、今後複数回行われる取り調べを通じて、新たな供述が出てくるのかが焦点になっています。
パク前大統領の勾留期限は今月19日aですが、検察としては、5月9日に投票が行われる大統領選挙への影響を最小限に抑えるため、選挙運動が始まる今月17日以前に、パク前大統領を起訴するのではないかという見方が出ています。