北朝鮮のキム・ジョンナム(金正男)氏が殺害された事件で、マレーシアのザヒド副首相は、遺体の最終的な身元の確認に、ジョンナム氏の子どもから提供されたDNAのサンプルを使ったことを明らかにしました。マレーシア政府は、遺体は親族に優先的に引き渡すとしていて、DNAを提供した子どもに遺体を引き渡すことになるのか注目されます。
マレーシアのザヒド副首相は15日、記者会見で、先月13日にクアラルンプール国際空港で殺害されたキム・ジョンナム氏の最終的な身元の確認について「警察長官が発表したとおり、遺体はキム・ジョンナム氏のもので、身元は子どもから提供されたDNAで確認された」と述べました。
ただ、子どもの名前やどのように提供されたのかなど、詳しいことは明らかにしませんでした。
キム・ジョンナム氏には、2人目の夫人との間に、息子のキム・ハンソル氏と娘の2人の子どもがいるほか、1人目の夫人との間にも別の息子1人がいることがわかっています。
今月10日、マレーシアの警察は、殺害されたのがキム・ジョンナム氏だと最終的に確認したと発表しましたが、具体的な確認の方法については、証人の安全を守るためだとして明らかにしていませんでした。
遺体を巡っては、北朝鮮大使館が直ちに引き渡すよう求めているのに対して、マレーシア政府は親族に優先的に引き渡すとしていました。
今後、マレーシア政府がDNAを提供したキム・ジョンナム氏の子どもに遺体を引き渡すことになるのか注目されます。
一方、ザヒド副首相は記者会見の中で、13日から北朝鮮との間で、外務次官級の公式協議を始めていることを明らかにし、北朝鮮から出国できずにいるマレーシアの外交官やその家族9人について、話し合いを進めているものとみられます。