エジプトの首都カイロにある古代都市の跡地で、3000年前の古代エジプトの王と見られる巨大な像が見つかり、地中から胴体の一部を引き上げる作業が行われました。
巨大な像が発見されたのは、エジプトの首都カイロ郊外の住宅地に囲まれた発掘現場です。
エジプトとドイツの合同調査チームが、先週、頭の一部を発見し、13日には新たに見つかった胴体の一部をクレーンを使って引き上げる作業をメディアに公開しました。
ガラスの原料などに用いられるケイ石で作られた像の全長は、およそ8メートルと推定され、これまでに頭に載せた冠や右の耳、それに胸の部分がはっきりと識別できる状態で見つかっています。
現場はかつて、古代エジプトの都市ヘリオポリスの神殿があった場所で、調査チームは当初、その時代の栄華を象徴する王ラムセス2世をかたどった3000年前の像と見ていましたが、目の周りの形などから、別の王の可能性も出てきたということです。
エジプトのハレド・アナニ考古相は「この場所で近年見つかった最も巨大な像で、大きな発見だ。さらなる発見に向け、発掘を続けていく」と述べ、詳しい分析と残りの部分の発掘を急ぐ考えを示しました。
発見された像の一部は、カイロにあるエジプト考古学博物館に移されて、一般に公開されることになっています。