语言切换
ニュース News

キム・ジョンナム氏 神経性毒ガスで殺害か VXの可能性も

日付: 2017-02-16
閲覧: 12

北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長の兄、キム・ジョンナム(金正男)氏が、マレーシアで殺害された事件で、遺体の状況などから、殺害に使われたのは神経性の毒ガスとみられ、猛毒のVXの可能性もあることが、複数の韓国政府関係者への取材でわかりました。

マレーシアのクアラルンプール国際空港で、今月13日、キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長の兄、キム・ジョンナム氏が、体調不良を訴えて病院へ搬送される途中で死亡し、韓国の情報機関は、北朝鮮の工作員が毒物を使って殺害したという見方を示しています。


マレーシアの警察は、15日までに遺体の検視を終えたとしており、最終的な死因の特定を急いでいます。


これについて、複数の韓国政府関係者は、NHKの取材に対し、遺体の状況などから、殺害に使われたのは神経性の毒ガスとみられ、猛毒のVXの可能性もあることを明らかにしました。VXは、皮膚に触れたり、吸い込んだりすると、神経に作用して呼吸が止まる毒ガスで、日本でも平成6年、オウム真理教の信者が大阪の会社員の男性を襲撃して殺害した事件で使われました。


関係者によりますと、北朝鮮の工作員は、VXを暗殺のために用いることが多く、今回も北朝鮮による犯行の疑いが一段と強まったとしています。韓国の情報機関、国家情報院は15日、北朝鮮軍で工作員による潜入や情報収集などを担う対外工作機関、偵察総局の工作員が毒物を使って殺害したもので、キム委員長の承認のもとで決行されたという見方を示しています。

VXとは

VXは、サリンと同じ種類の有機リン系の化合物で、神経の伝達機能に作用して筋肉の正常な動きをできなくします。皮膚から吸収するとごく少量でもけいれんや瞳孔の収縮を起こしたあと、即死に近い状態になるとされています。日本ではオウム真理教による一連の事件で使用され、平成7年に成立したサリン防止法で国の研究目的や国が許可した場合を除いては製造や所持、それに原料の購入なども禁じられています。また、日本を含む各国で化学兵器禁止条約に基づく法律で厳しく規制されています。

訓練を受けて命令を受けた者が実行したか

元陸上自衛隊化学学校長で、化学兵器に詳しい山里洋介さんは、「VXは、現存する軍事用の化学兵器の中で最も毒性が高い。今回、キム・ジョンナム氏は、人がたくさんいる空港で、その場で倒れているようなので、注射器やスプレーで体内に注入するなど即効性のある使い方をしたのではないか」と指摘しています。


また、VXについて「有機化学の知識がある人でそれなりの防護施設があれば作ること自体は難しくない。そういったことから、常識的に考えれば、北朝鮮が持っている可能性は十分にある」としています。


そのうえで、今回のケースについて、「公衆の面前で殺傷するということから、それなりの訓練を受けて命令を受けた者が実行したと考えられる。特定の人物を計画的に殺害しようとすると、VXは非常に有効なのではないか」と話しています。

1滴でも皮膚に触れると死に至る場合も

オウム真理教による事件や和歌山市の毒物カレー事件で鑑定に関わり、生物・化学兵器に詳しい神経内科医で、九州大学の井上尚英名誉教授は、「猛毒のVXは無臭の液体で、注射器などで体内に注入しなくても1滴でも皮膚に触れて体内に吸収されると、呼吸が困難になったり、意識がなくなったり、けいれんが起きたりして、最終的には血圧が低下し、死に至る場合もある」と話しています。


また、VXが使われたかどうかを判断する方法について、「瞳孔が小さくなり、血中の特定の酵素の数値が下がっていたとすれば、VXが使われた可能性が高い」と話しています。そのうえで井上名誉教授は、「液体のためガスよりも持ち運びが容易で、使う際に手袋を使用すれば加害者の側が被害を避けることができる」と指摘していました。


著作権 ©2005 - 2022 中投資建設グループ株式会社
犀牛云提供企业云服务

北京 上海 広州 重慶 福州 成都 南京 杭州 寧波 海口

蘇州  深圳  香港  フランクフルト トロント メルボルン  台湾

400-857-5885

邮编:330520