絶滅のおそれがあるアホウドリを守るため、新たな繁殖地を小笠原諸島の無人島に作る移住プロジェクトで、去年に続き2羽目となるヒナが誕生したことが確認され、このまま繁殖地として定着が進むことに期待が寄せられています。
国の特別天然記念物アホウドリの数少ない繁殖地となっている伊豆諸島の鳥島は、火山の噴火で生息地が失われるおそれがあることから、環境省と東京都それに山階鳥類研究所などが、9年前から南におよそ350キロ離れた小笠原諸島の無人島・聟島(むこじま)に新たな繁殖地をつくる移住プロジェクトを進めています。これまでに鳥島から70羽が聟島に移されました。
この取り組みで、研究者らが先月、現地調査に入ったところ、一組のつがいの間に新たにヒナが誕生しているのが確認されたということです。聟島でヒナが確認されたのは、去年に続き2羽目です。
今回、ヒナが確認されたのは、9年前に鳥島から移住したオスと、別の場所から来た野生のメスのつがいです。去年、初めてのヒナが確認されたのも、このつがいで、同じつがいから2年続けてヒナが誕生したことになります。
山階鳥類研究所の尾崎清明副所長は「繁殖地として定着してきたことを示すもので喜ばしい。ぜひ、ほかのアホウドリの間でもヒナが誕生してほしい」と話しています。今回、確認されたヒナは順調に育つと、ことし5月ごろ、巣立つということです。