世界初「惑星系」が形づくられる様子を観測
私たちの太陽系と同じような「惑星系」が形づくられようとしている様子を日本の理化学研究所などのグループが、南米・チリにある巨大な電波望遠鏡を使って、世界で初めて観測することに成功しました。私たちの太陽系がどのように形成されたのかを解明するヒントになる可能性があると注目されています。
理化学研究所や東京大学などのグループは、南米・チリにある世界最大の電波望遠鏡「アルマ」を使って、おうし座の方角におよそ450光年離れた、私たちの銀河系の中にある生まれたばかりの星の周りを観測しました。
その結果、この星の周りでは、ガスやちりが渦を巻くように円盤状に漂っていて、その最も外側の部分では、ドーナツ状に膨らみができている様子が確認されました。
グループによりますと、この膨らみがあることによって、その内側ではガスやちりが集まり始め、いくつもの惑星の集まりである「惑星系」が形づくられると見られるということで、こうした「惑星系」の形成過程が捉えられたのは世界で初めてだということです。
グループでは今後さらに、こうした惑星系の形成過程の観測を重ねれば、私たちの太陽系がどのように形成されたのかを解明するヒントを得られる可能性があるとしています。
研究グループの代表を務める理化学研究所の坂井南美准主任研究員は「世界最大のアルマ望遠鏡によって、これまで見えなかった惑星系の形成過程が見えるようになってきた。今後、惑星系の形成過程の観測を数十個、100個と重ねていくことで、私たちの太陽系以外にも、生命が存在できるような惑星系があるのかどうか、そうした大きな謎に迫っていきたい」と話しています。