ミャンマーで、絶滅の危機にひんしているカワイルカを保護するために、専用の調査船が就航し、ミャンマーを南北に流れる川で本格的な調査を始めました。ミャンマーのイラワジ川には、カワゴンドウというカワイルカの一種が60頭余り生息していますが、水質の悪化などから絶滅が懸念されています。
このカワイルカの保護に向けて6日、中部のマンダレーで野生生物の保護に取り組んでいる国際的なNGOが、ミャンマー政府と協力して専用の調査船を就航させました。
出港からおよそ4時間後には、早速、カワイルカが褐色の水面から頭や背びれを見せ、この日は合わせて8頭を確認することができました。
イラワジ川では、かつて漁師とカワイルカが協力して魚を網に追い込む伝統的な漁が行われていましたが、最近は車のバッテリーなどを使って川に電流を流して魚を捕まえる違法な漁が広まり、カワイルカが船を怖がるようになり、電流が原因で死んでしまったと見られるケースも報告されているということです。
このため今回の調査では、沿岸の住民にカワイルカの保護を呼びかけ、電気を使った漁をやめるよう促す啓発活動も行うことになっています。
野生動物保護協会の担当者は、就航した調査船について「大きな船なので、違法漁業の取締りやパトロール、住民への教育など、さまざまな目的に使いたい」と話していました。