認知症治療につながるか 光の点滅で脳刺激 米でマウス実験
日付:
2016-12-05
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一定の周期で点滅を繰り返す光を受けるだけでアルツハイマー病の患者の脳内にたまるたんぱく質の量が減ったとするマウスでの実験結果をアメリカの大学のグループが発表し、将来の治療につながる可能性があるとして注目されています。
アルツハイマー病の患者の脳には、「アミロイドベータ」というたんぱく質が蓄積しており、取り除くことで認知症の治療を目指す研究が各国で進められていますが、根本的な治療法は見つかっていません。
アメリカのマサチューセッツ工科大学などの研究グループは、光の刺激によって認知機能の回復につなげようと、アルツハイマー病のマウスに、1秒間に40回の周期で点滅する光を当てて脳に刺激を与える実験を行いました。
その結果、この周期で点滅する光を1時間受けたマウスは、ほかのマウスに比べてアミロイドベータができる量が60%近く少なくなったということです。さらに、毎日1時間、1週間にわたって光を受けると脳内にたまったアミロイドベータの塊も60%余り減ったということで研究グループは、光の刺激によって脳内の免疫細胞が活性化し、分解したと見ています。
研究グループは「私たちの方法は、体を傷つけない。人でも同様の効果があるか確認しながら、できるだけはやく臨床試験ができるよう検討していきたい」と話しています。研究成果は、イギリスの科学雑誌ネイチャーに7日、発表され、将来の治療につながる可能性があるとして注目されています。