中国の通貨・人民元の相場は、世界的にドルを買う動きが続いていることなどを受けて、中国当局が発表する取り引きの目安となる値がドルに対しておよそ8年5か月ぶりの元安水準となりました。
人民元の相場について、中国の中央銀行にあたる中国人民銀行は前の営業日の為替レートなどを参考に、1日の取り引きの目安として基準値を発表しています。
24日朝発表されたドルに対する基準値は1ドル=6.9085人民元と23日より0.2%余り引き下げられ、2008年6月以来およそ8年5か月ぶりの元安水準となりました。
人民元は中国経済の減速などを背景にドルに対して値下がり傾向が続いていましたが、アメリカ大統領選挙のあと世界的にドルを買う動きが続いていることなどを受けて、基準値が今週初めまで12営業日連続で引き下げられるなど一段と元安が進んでいます。
市場関係者は「これまでのところ中国当局による大規模な市場介入などの動きは見られず、当局は元安を容認しているという見方が広がっている。ただ、急な元安は経済に悪影響を与えるおそれもあり、1ドル=7人民元の節目の元安水準に近づく中、中国当局が今後も容認を続けるのか注目される」と話しています。