安倍総理大臣は、ミャンマーの政権を事実上率いているアウン・サン・スー・チー国家顧問と会談し、ミャンマーの農村のインフラ整備や、雇用の創出などのために、今後5年間で官民合わせて8000億円規模の支援を行うことを表明しました。
会談は東京・港区の迎賓館でおよそ1時間余りにわたって行われました。
この中で安倍総理大臣が、「日本は、ミャンマーの友人として、官民を挙げて新政権を支援していきたい」と述べたのに対し、アウン・サン・スー・チー国家顧問は、「われわれは歴史的な新しいページを刻んでおり、日本は、引き続き信頼できるパートナーとして、一緒に歩んでくれると信じている」と応えました。
そして安倍総理大臣は、農村インフラの整備や、雇用の創出、それに製造業の集積や産業振興など9つの分野に、今後5年間で官民合わせて8000億円規模の支援を行うことを表明しました。
このほか安倍総理大臣は電力供給の安定化に向けて、ミャンマー国内にある老朽化した2つの水力発電所を改修するためおよそ108億円の円借款を供与することも伝えました。
一方、会談では、核実験や弾道ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮への対応について安倍総理大臣が、協力して対応するよう求めたのに対し、スー・チー氏は「同じ立場を共有する」と応じました。
会談のあと、スー・チー氏は共同記者発表で、「日本からの支援を有意義に活用していくために努力していきたい。ミャンマーの民主化、和平構築、国家の発展に、今後も積極的に支援をいただけると思っている」と述べました。