中国を訪問しているフィリピンのドゥテルテ大統領は20日、習近平国家主席と初の首脳会談を行う予定で、南シナ海の問題での対立を避け、関係改善を優先する姿勢を示すことで経済支援を引き出したいという思惑がありそうです。
18日から中国を訪問しているフィリピンのドゥテルテ大統領は20日、北京で中国政府による歓迎式典に出席したあと、習近平国家主席と初の首脳会談を行う予定です。
19日夜、北京で記者会見したドゥテルテ大統領は、習主席との会談で南シナ海の問題をどのように取り上げるのか質問されると「私は習主席がこの問題に言及し、私に返答を求めるまで待たねばならない。何か口を出すことで善意を壊したくない」と述べて、自分から突っ込んだ議論をするつもりがない考えを示しました。
そして、「今は言い争いをすべき時ではない」とも述べて、中国との関係改善を優先する姿勢を示し、大規模な経済支援を引き出したいという思惑があるものと見られます。
一方、中国側も、大統領の訪問について王毅外相が「歴史的な訪問で、両国関係の新たなスタートになるものだ」と歓迎したほか、国営メディアも連日、好意的な報道を続けています。
南シナ海の問題で鋭く対立してきた両国が関係改善に大きく踏み出せば、地域情勢にも大きな影響があると見られるだけに、首脳会談の結果に注目が集まっています。