中国の習近平国家主席は、13日、カンボジアでフン・セン首相と会談してインフラ整備などでの協力を拡大することで一致し、南シナ海への海洋進出をめぐって中国寄りの立場をとるカンボジアとの連携をさらに強化していく狙いがあると見られます。
習近平国家主席は13日、中国の国家主席としては14年ぶりにカンボジアを訪れ、首都プノンペンでフン・セン首相と会談しました。中国国営の新華社通信などによりますと、会談で両首脳は「両国を、深く信頼しあう友人、肝胆相照らすパートナー、そして運命共同体にしていく」などと最大限の表現を使って関係強化で一致するとともに、道路やエネルギーなどのインフラ整備をはじめ、幅広い分野で協力を拡大していくことで合意しました。
カンボジアでは、日本が長らく最大の支援国となってきましたが、2010年以降は、日本にかわって中国が最大の支援国となっており、各地で中国資本による巨大なショッピングセンターやオフィスビルなどの建設が相次いでいます。
こうした支援を背景にカンボジアは、ASEAN=東南アジア諸国連合の会議などで中国の南シナ海での海洋進出について話し合われる際には、一貫して中国寄りの立場をとっており、中国としては今回の訪問で、一層の支援を約束することでカンボジアとの連携をさらに強化していく狙いがあるとみられます。